セックスレスを解消する方法とは?原因や一般的とされるセックスの頻度も紹介

公開日: 11/02/2025

Un couple qui s'est rencontré sur Noulib se donne la main

いまやカップルや夫婦の半数以上がセックスレスだといわれる昨今。お互いがセックスを望んでいない状況であれば問題ありませんが、解消したいと悩む人も少なくはないでしょう。

セックスレスは関係の悪化による破局や離婚などを招くこともある深刻な問題ですが、「パートナーへの伝え方がわからない」「なかなか解消されない」などと悩んでいる人も多いかもしれません。

そこで、この記事ではセックスレスの定義や割合、原因、解消方法などをまとめました。また、セックスレスの歴史や、性について学べる本についても触れています。

セックスレスとは?

セックスレスとは、カップルや夫婦間で一定期間、性的な関係がない状態を指します。
日本性科学会の定義は「特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交やセクシャル・コンタクトがいずれも1ヶ月以上なく、その後も長期に渡ることが予想される場合」です。

しかし、個々の感じ方や状況によって「長い」と感じる期間はそれぞれ異なるため、人によってはそれよりも短い期間でも「セックスレスだ」と感じる場合があります。

日本で一般的とされるセックスの頻度

2008年にDurex社が公表した「グローバル・セックス・サーベイ」によると、日本人の年間セックス回数は48回、つまり週1以下だとわかっています。世界平均が100回を超えている中、日本は世界最低ランクです。

また「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ2024」にて「特定の相手に限らず、この1年間のセックス回数」を調査した結果によると、月1未満だと回答した男性は64.3%、女性は66.8%、月1~3回程度だと回答した男性は21.1%、女性は18.7%、週1~3回程度だと回答した男性は11.4%、女性は13.4%、ほぼ毎日と回答した男性は3.2%、女性は1.0%でした。

この調査から、日本で一般的とされるセックスの頻度は月1未満だとわかります。

日本におけるセックスレスの割合

次に、日本におけるセックスレスの割合について見ていきましょう。

1年間セックスをまったくしていない男女は4~5割

2020年に行われた「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ2020」によると「1年間、まったくセックスがない」と回答した男性は41.1%、女性は49.5%でした。また「年数回程度」と「1年以上していない」と回答した人の合計は、男性の61.6%、女性の64.2%にのぼっています。

セックスレスの定義は「特殊な事情が認められないにもかかわらず、性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上なく、その後も継続されることが予想できる状態」のため、6割以上の男女がセックスレスであるといえます。

婚姻関係にある男女のセックスレス割合は64.2%

「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ2024」の調査によると、20歳から49歳で婚姻関係(初婚+再婚)にある男女のセックスレス割合は64.2%でした。

2004年は31.9%、2006年は34.6%、2008年は36.5%、2010年は41.3%、2012年は41.3%、2014年は44.6%、2016年は47.2%、2020年は51.9%、2024年は64.2%と右肩上がりになっており、セックスレスに陥る夫婦は年々増えていることがわかっています。

またセックスレスは、男性では20代で33.6%、30代で51.0%、40代で57.8%、50代で69.3%、60代で79.0%という結果に。女性の場合は20代で33.6%、30代で49.5%、40代で64.4%、50代で79.5%、60代で78.0%という結果になっており、男女共に年齢が上がるにつれて高くなる傾向です。

さらに、1年以上セックスしていない人に「どのくらい前からしていないのか」と質問したところ、男性は平均8.7年、女性は9.6年という結果も出ています。その中でも60代の男性は11.4年、女性は12.8年であり、50代の男女はセックスとは無縁の生活を続けていることになります。

日本におけるセックスレスの歴史

日本において、セックスは家族や社会の繁栄のために重要視されていました。

しかし1990年代以降、メディアや調査機関が「セックスレス」という言葉を取り上げるようになり、社会問題として認識され始めました。1990年代後半から2000年代にかけて、セックスレスに関する調査や報道の頻度が増加。その結果、夫婦の間でセックスが長期間行われないケースが多く存在することが明らかになりました。この現象は、経済的なストレスや家庭内の役割分担の不均衡、コミュニケーション不足など、複合的な要因によるものとされています。

セックスレスに対する考え方もまた、時代とともに変化してきました。近年では性に対する価値観が多様化し、性的な関係のあり方も個々のカップルの自由な選択として尊重されるようになっています。そのため、無理にセックスレスそのものを解消するのではなく、カップルそれぞれの状況に応じた解決策やコミュニケーションを模索することが重要だといえます。

セックスレスの原因

ここでは、男性・女性別に、セックスレスの原因について紹介します。

男性がセックスに対して積極的になれない理由

「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ2020」の調査にて、婚姻関係にある男女別に「セックスに対して積極的になれない理由」を質問したところ、男性では「面倒くさい」「仕事で疲れている」「相手がいない」「勃起障害(ED)に対する不安がある」という回答がありました。

また「面倒くさい」は50 代、60代に、「仕事で疲れている」は30代から50代に、「出産後何となく」は30代に多く、「勃起障害(ED)に対する不安がある」は20代と60代で高い傾向です。

さらに2014年の「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ」結果の概要」にてセックスに関する悩みごとを調査した結果は、以下の通りでした。

  • 「挿入時間や射精までの時間が短い」が27.9%
  • 「勃起しづらい・できない」が16.4%
  • 「自分の性器の大きさや形・色などが気になる」が12.7%
  • 「挿入時間や射精までの時間が長い」が6.3%

上記の結果から、半数以上の男性がセックスに対して何らかのコンプレックスや悩みを抱えていることがわかります。このようなコンプレックスも、セックスレスを助長させる原因のひとつだと考えられるでしょう。

女性がセックスに対して積極的になれない理由

女性に関しても、同じく「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ2020」の調査結果によると、女性も「面倒くさい」がトップ。そのあと「出産後何となく」「仕事で疲れている」という回答が続きました。

女性では「面倒くさい」が40代から60代で顕著に増加している一方で「セックスより趣味など楽しいことがある」が50代、60代で増加。また「出産後何となく」は20代、30代で増加するなど、偏りがあるのが特徴です。

また「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ」結果の概要」にてセックスに関する悩みごとを調査した結果は以下の通りでした。

  • 「オーガズムに達することができない」が18.5%
  • 「快感が得られない」が14.3%
  • 「自分の性器の大きさや形・色などが気になる」が9.8%
  • 「濡れにくい・濡れない」が7.4%

男性の調査結果と同様、このようなコンプレックスもセックスレスを助長させる原因のひとつだと考えられます。

セックスレスの解消方法

ここからは、セックスレスの解消方法を紹介します。

  • コミュニケーションをとる
  • 挿入や射精の有無にこだわらない
  • 育児や家事を夫婦で協力して行う
  • 旅行やデートに行くなど環境を変える
  • アイテムを取り入れる
  • 自分磨きなどマンネリを解消する努力をする

それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。

コミュニケーションをとる

セックスレスの問題を解消するために、もっとも重要な要素のひとつが、パートナーとコミュニケーションをとることです。多くのカップルは、性に関する悩みを抱えていても恥ずかしさや気まずさから率直に話し合うことを避けてしまいがちです。しかし、セックスレスの問題を解決するためには、まずお互いの気持ちや考えをオープンに話し合うことが不可欠です。

コミュニケーションをとる際には、相手を批判せず、尊重しながら話すようにしましょう。セックスに対する期待や不満をただ一方的に伝えるのではなく、相手の意見や感情にも耳を傾けることが大切です。また、無理に解決しようと焦らず、少しずつ歩み寄る姿勢も必要です。

性に関する話題を取り上げるのが難しいと感じる場合、カップルでカウンセリングを受けることもひとつの方法です。専門家の助けを借りて、2人がどのように向き合うべきかを考えることで、問題解決の糸口を見つけられるでしょう。

挿入や射精の有無にこだわらない

パートナーに勃起障害や射精障害、性交痛、またセックスへのトラウマなどがある場合は、挿入や射精の有無にこだわらないことを推奨します。挿入や射精に重きを置きすぎてしまうと、負担やプレッシャーにつながり、逆に親密さや心のつながりを阻害する原因になってしまうことがあるためです。

そのためセックスレスの際は、以下のようなコミュニケーションをとることがおすすめです。

  • 手をつなぐ
  • ハグをする
  • マッサージをする
  • 一緒にお風呂に入る
  • お互いの体を触る
  • 裸で一緒のベッドに入る
  • オーラルセックスをする

パートナーとのリラックスできる時間を楽しむことでセックスレスに対するつらい気持ちが緩和でき、長期的にはセックスレスの解消につながるでしょう。

育児や家事を夫婦で協力して行う

セックスレスの解消には、育児や家事を夫婦で協力して行うことも効果的です。どちらか一方に家事や育児が集中すると、疲労やストレスが溜まり、セックスに対する意欲が減少してしまうためです。

夫婦でタスクを分担することで、互いの負担を軽減し、心身ともに余裕を持つことができます。また、一緒に過ごす時間が増えることで自然とコミュニケーションが深まり、感謝の気持ちも生まれやすくなるでしょう。

こうした協力体制は、夫婦間の信頼や親密さを高めるだけでなく、セックスレスの解消にもつながります。家庭内の負担を分け合い、互いにサポートし合うことが、良好な夫婦関係を築く鍵となるのです。

旅行やデートに行くなど環境を変える

セックスレスの解消には、旅行やデートに行くなど、日常とは異なる環境で過ごすことも有効です。忙しい日常生活や家の中では、リラックスして親密な時間を過ごすのが難しい場合があるためです。

旅行や特別なデートは2人の距離を縮め、新しい刺激やリフレッシュの機会を与えてくれます。また、非日常的な場所で過ごすことで、2人が初めて出会った頃のような新鮮な気持ちを取り戻すことができ、自然と親密さが高まるでしょう。

このように環境を変えることで、心の余裕が生まれ、セックスレスの解消につながるのです。

アイテムを取り入れる

セックスレスの解消には、アイテムを取り入れることもひとつの方法です。例えば、マッサージオイルや香りのよいキャンドルなど、リラックス効果のあるアイテムを使うことで雰囲気を変えやすくなります。

また、セックストイを使うこともパートナーとの新しい楽しみ方を発見するきっかけになるでしょう。こうしたアイテムを活用することで、単調になりがちな関係に新鮮さを加え、2人の親密さを自然に高めることができます。

無理なく、楽しみながら取り入れることが、セックスレス解消に向けた一歩です。

自分磨きなどマンネリを解消する努力をする

セックスレスの解消には、自分磨きを通じてマンネリを打破する努力が効果的です。長い交際の中で、お互いに新鮮さを失うケースはよくありますが、外見や内面を磨くことで新たな魅力を引き出せるようになります。

たとえばヘアスタイルやファッションを変えたり、ダイエットや新しい趣味に挑戦したりすることで、パートナーにも新鮮な印象を与えることができるでしょう。また、自己成長への意識が高まることで、2人の会話や関係性にもよい影響を与え、セックスレスの解消につながることがあります。

セックスレスや性の知識について学べる本

ここからは、セックスや性の知識について学べる本を3冊紹介します。

  • セックスレスを一方的に我慢しない 「したがらない夫」との話し合い方
  • 誰も教えてくれない大人の性の作法
  • 女医が教える 死ぬまで「性」を愉しみ尽くす本

セックスレスについてさらに深く知りたい方や、性に関する理解を深めたい方は、ぜひ読んでみてください。

セックスレスを一方的に我慢しない 「したがらない夫」との話し合い方

小野美世著「セックスレスを一方的に我慢しない 「したがらない夫」との話し合い方」は、夫婦の悩み専門カウンセラーによって書かれた本です。パートナーとの話し合い方について5段階で解説されており、お互いの歩み寄りや理解に役立ちます。

誰も教えてくれない大人の性の作法

坂爪真吾著「誰も教えてくれない大人の性の作法」は、夫婦のセックスレスをはじめ、性の問題に対して切り込んだ本です。年齢にまつわる性の問題や、産後の女性にまつわる性の問題、パートナーとの誤解やすれ違いにまつわる性の悩みなど、多角的な角度から性の知識を学ぶことができます。

女医が教える 死ぬまで「性」を愉しみ尽くす本

富永喜代著「女医が教える 死ぬまで「性」を愉しみ尽くす本」は、性の悩みを語り合えるオンラインコミュニティを主宰する女性ドクターによって書かれた中高年向けの本です。中高年におすすめの前戯や体位、ED治療薬の基礎知識など、実践的な内容が学べます。

まとめ

セックスレスは、パートナー間での信頼や心理的なつながりに悪影響を与えることがあります。解消のためには双方の気持ちを尊重し、オープンなコミュニケーションを取ることが鍵です。必要に応じて専門家に相談したり、本記事で紹介した本で本格的に学んだりすることも、関係を改善する一助となるでしょう。

出典:
日本性科学会「当学会におけるセックスレス・カップルの定義について
日本性教育協会「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ」結果の概要
一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センター「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ2020」、「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ2024


性の健康

性に関して身体的、感情的、精神的、そして社会的に健康であることはもちろん、幸福であるにはどうすれば良いのでしょうか?Nouslib Magでお教えします。